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インドネシア通信
 

インドネシア通信 Vol.7

2014年のインドネシア経済は?

2014年のインドネシア経済はどうなるでしょうか。アメリカが量的緩和政策の縮小を今年中にほぼ確実に実施するものと見られ、インドネシアを含む新興国は大きな影響を受けることになるでしょう。総選挙、大統領選挙と政治の季節を迎えるインドネシアにとって、2013年に引き続き、2014年も耐える1年となりそうです。

以前のレポートでも述べましたが、インドネシアのマクロ経済政策は、2013年中に成長から安定へと舵を切りました。雇用機会を確保するための高成長をしばし諦め、為替安定と国際収支改善を優先することとし、金利も上昇させたのです。その結果、それまで「行け行けドンドン」状態だった通貨供給や銀行貸出の動きが緩やかに鈍り、若干ではありますが、失業率や貧困人口比率が上昇することとなりました。他方、国内消費をみると、2013年の自動車販売台数が120万台へ増加するなど、まだ急速な冷え込みの様子はうかがえません。しかし、金利上昇の影響はじわじわと現れ、2014年は2013年ほどのバブルを思わせるような消費の勢いはなくなるものとみられます。

東南アジアのなかでも、政情不安を露呈するタイと比べて、総選挙・大統領選挙を迎えるとはいえ、現時点でのインドネシアの政治社会状況はより安定しているといえるでしょう。投資家にとって、短期的な利益よりも中長期的な利益を求める対象として、インドネシアにおける経済発展の将来性はまだ大きいと認識されることでしょう。1998年の通貨危機時のように、インドネシアが一人負けするような状況にはまだ至っていませんし、過去15年の経験から、万が一そうなったとしても、中長期的にインドネシア経済は回復すると見なされることでしょう。

2015年アセアン自由市場化を控えて、インドネシアは背伸びしてでも産業構造高度化を試みようとします。それは経済発展の自信からくるものではありますが、そのプロセスや段階の踏み方にはもっと熟慮が必要になります。むしろ、注意しなければならないのは、インドネシアが政治的な意図からあえて自身の能力を過信し、その見栄を張り続けなければならなくなることかもしれません。日本がインドネシアの真のパートナーであるのなら、そうしたインドネシアの本音部分を十分に理解し、表と裏を使い分けながら、明示的ではない形で、インドネシアのよきコーチ役を果たしていくことが求められてくるのではないでしょうか。


松井 和久
松井 和久 インドネシア・スラバヤ在住
銀座セントラルグループ顧問
1962年福島県福島市生まれ。
一橋大学社会学部卒業、インドネシア大学大学院修士課程修了(経済学)
アジア経済研究所入所、1985年から2008年までインドネシア担当。
1995年から2010年まで3度に亘り、JICA専門家としてインドネシア・マカッサルに滞在。
2010年6月からJETRO専門家(インドネシア商工会議所アドバイザー)としてジャカルタ勤務。編著、論文、エッセイ、講演多数。
 
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